DoctorMXで照明操作(3)

前回からの続きです。

DoctorMXの流れ図に絶対必要な「コンソール」での「シーンモード」での話です。
このコンソールは何かと弄る事になるし、この窓を詳しく覚えるだけで、ほぼ9割以上の芝居の照明は出来ると思って良い。そのぐらい、大事なものです。

他のは、あんま使わないです。(汗)
なので、少々面倒だと思っても、何度も読み直したりすることで、「頭でも理解」して、触ったときにも「戸惑わない」程度にはなっていて欲しいなぁと思います。

DoctorMXそのものが手元になくても、アプリケーションソフトはダウンロード出来ます。ということは、繋がっていなくても、弄ることはできるんです。ソフトを。なので、読むだけではなく、色々やってみて貰えれば、理解も深まるかなぁと。

おさらい

では、前回からの続き。リンクについて。
コンソールでは、照明の灯体をいくつかフェーダー上げてシーンを作る。
そのシーンをまるごとシーンモードにした時に右側に顕れるエリアに放り込む(シーン落としというらしい)。
それを繰り返して、芝居(等)で使うシーンを全部、完成させて、シーンエリアで全部並べてみましょう。

名前を入れて、フェードの時間を決めて、ディレイなどを細かく決める。そして、今回紹介する「リンク」を使う時に、何かと役立つのが前回紹介した「ウェイト」なんです。

これは、二つのシーンを作った状態です。作ったシーンは、コンソールの「シーンモード」を解除しても、そのままソフトと閉じなければ、もう一度「シーンモード」に入れれば、表れます。ですが、「ファイル」から保存すれば、もっと楽に再現出来ます。

この画像だと「リンク」の欄があります。そこのアップはこれ。

上の「1」版の「上手サス」という名前を入れたシーンには、数字が次ぎのように設定されています。

プラスのディレイが3秒

これは、このシーンに行く時に、まずは3秒待ってからこのシーンへ移行を始めるという数字。それがディレイ。

マイナスのディレイが2秒

これは、このシーンから別のシーンへ移行する時に、減衰するのを2秒待ってからにする、という設定。

プラスのフェードが2.5秒

これは、このシーンへ移行する時に、移行し始めてから移行が終わって完成するまでの時間が2.5秒ということ。

マイナスのフェードが2.5秒

これは、このシーンから別のシーンに行く時に、2.5秒かけて移行するという意味。ディレイがあれば、そのディレイの時間だけ待ってから、このフェードの時間をかけて減衰なり完成なりさせます。

ウェイト9秒

そしてウェイトは、「ディレイ+フェード」の時間を含めて、次の作業へ移行するまでの時間という意味。9秒とあるってことは、1番のシーンに移行する時は、

3秒待ってから2秒かけてフェードして完成してから3.5秒待つ

ということ。足した時間(この場合は9秒)が、ウェイトの時間です。そして、ウェイトの時間がフェイドやディレイの時間より短いと無視されます。

リンクとは?

そして、リンクです。ようやく本題。お待たせしました。
リンクに入れる数字は「秒」という時間ではなく、「遷移」する先のシーンを表す数字です。1だと、その下のシーンへ移行する。0だと移行しない、完成したらそこで止まっている。-1だと、一つ前(上)のシーンへ移行する。というものなんです。

この図だと。上手サスと名付けられたシーンを選択した場合、まず、その前のシーンから、3秒待ってからフェイドが始まり、フェイドには2.5秒かけて完成し、完成したあと、3.5秒待ってから、「2」のシーン「中央サス」と名付けられたシーンへ遷移します。そして、2のシーンへは、2秒待ってから上手サスが減衰しはじめ、中央サスは3秒待ってからフェイドでアップをし始め(つまり、上手サスが減衰し始めてから1秒経ってからアップを始める)、

トータル5.5秒経って「2」のシーンが完成して、3.5秒待つ、みたいな設定になってます。

ですが、2のシーンへ行った時に、結果、3.5秒待つ、となっていますが、それそのものにはあまり意味がありません。

あるのは、ウェイトの時間があれば、次のシーンへ移行する場合に「十字キーの下を押す」事が出来ないというだけの話です。しかもそれも、「移行中であろうとも」コントロールキーを押しながら十字キーを押せば、上のシーンにも、二つ上のシーンにも、したのシーンにも、三つ下のシーンにも動かせます。

つまり、リンクは、「続けてシーンを遷移する」為のコマンドなんですね。

使い方(1)

ということは、以下のような使い方が出来ます。非常に実践的です。
客入れ状態から、暗転に行くとする。(暗転は、暗転というウィンドウがありますが、ここでは、敢えて、暗転した状態をシーン登録したとする)

1のシーンが客入れ状態だとして、3のシーンの暗転に行くまでに2のシーンを入れれば、1のシーン(客入れ状態)で付いている安物のLEDライトを2のシーンに行く時に、先にフェイドアウトさせておいて、ハロゲンライトだけにしてから3の暗転に向かう。といった事です。安いLEDライトはどうしても、フェイドアウトが汚いですよね。それは仕方ない。だが、先にフェイドアウトさせてしまって、フェイドが綺麗なハロゲンだけにしてからそれを暗転させる、なんてことが出来ます。

リンクを使えば、このようなことを連続して行えます。

例えば、同じライトを使っていても、二段階のフェイドを図のような流れで行う事も可能です。例えば、暗転するシーン(3)に向かうとして。会場のお客様の声が大きめに騒いでいるように聞こえる時、1から2へ早めに落ち始める事で「始まる!」を意識して貰う。だけど、スマホの電源切るのにモタつきそうだから、完全なる暗転(シーン3)に行くまでは、ゆっくりの勾配で下がるようにしよう、という事が可能になるワケです。

その場合は、1,2,3全てが「同じ灯体」であれば美しく出来ますよね。
1はABCの明かりがフルで付いていて100だとする。2は、ABCともに、35まで出来ていたとする。でも、フェイドに6秒かけて下がるとする。

そうした場合、2のシーンは、ABCの明かりが35で付いているという「シーン」である必要があります。でないと繋がりませんよね。そして、3では、ABC共に0になる。

ということです。

使い方(2)

勿論、逆のパターンで、暗転した状態から、ゆっくりとシーンを立ち上げる時に、フェイドの時間を変えて、点灯する照明の種類をかえて、徐々に徐々についていく流れをまずはバックサスで輪郭を作ってからSS(ステージサイド)を入れて、トップと前明かりを入れてようやくラストで顔が見えるように仕上げるといった事ですね。

それはただの応用ですが、他にもこういう使い方があります。ここでは、紹介出来ませんんが、シーンには「チェイス」を組み込む事も出来ます。チェイスとは、いろんなシーンをパカパカと移動して盛り上げる歌ものなどでよく使うヤツです。

そのチェイスを、歌に合わせて、ハメることが出来ます。
曲の構成に合わせて、

  1. イントロで1シーンを
  2. Aメロでシーン2を
  3. Bメロでシーン3を
  4. サビでシーン4を

と言ったことをオートマチックにすることが出来ます。理解出来ますか?

チェイスで曲のフレーズに合わせて変える場合は、通常、フェイドの時間もディレイの時間もゼロにしておいた方がいいですよね。パッパと変わるべきですからね。ということは、イントロの尺を秒数に変えて、ウェイトに入れる。でリンクで1とかに入れておけば、真下のシーンがAメロの照明シーン、そのAメロの尺を秒数でウェイトに入れて1とリンクを入れておけば、その真下のシーンがBメロになる。その連続になります。

音響でのカットインと同時に、シーン1が選択させられれば、あとは、DoctorMXが歌が終わるまで「自動でしかもピタリと合う形」で照明を変えていってくれるというワケです。絶対に失敗するということがないのです。

ですが、音響のカットインタイミングを照明で合わせるのなんか無理だよぉ~と思う人もいるでしょう。照明スタッフと離れている、とかね。ですが、じつは、音と同期出来るのがこのDoctorMXなので、それはまた後日紹介します。

シーンの遷移の仕方

これは、何度も書いていますが、「十字キーの下」を押せば、シーンを次ぎのシーンへ移行させられます。そして、リンクに0以外の数字を入れておけば、別のシーンへ移行させられます。

そのシーンの遷移の際に、マスターフェーダーの横にある文字について理解が必要になってきますので、それらを説明します。

マスターフェーダーの横の「進行」「待機」「時間」「クロス」

四つのチェックボックスがあります。それぞれの説明です。

進行

マスターフェーダーですが、「自動」を押せば、そのシーンから次のシーンへ行くなどします(それぞれ進行などのチェックにチェックが入っているか等による)。マスターフェーダーが、終了側(完成したシーン側)に位置している場合は、その反対側を「次のシーン」にセットします。つまり、演劇の場合は、入れておいた方が良い。

待機

次に、待機は。シーンリスト内で、シーンを選んだ時に、「待機」にチェックが入っていれば、次のシーンの向かう先に設定させることが出来ます。つまり、これも入れておいた方が良い。

時間

この時間というもの。これは、シーンを選択された時に、そのシーンで設定されている「ディレイ、フェード、ウェイト」などの時間を用いて移動させる時に入れるべきチェックボックスです。当然入れるべき。

クロス

四つ目のクロスは、シーンメモリのシーンが「選択」された時に、自動で「そのシーンへ遷移」させる為に、チェックするチェックボックスです。つまり、これも入れた方が良い。

演劇の場合は、これで出来る

演劇の場合は、このシーンリストに全てのシーンの照明を用意して並べておいて、それを順番に上からやっていく、というだけで出来てしまいます。しかも、フェイドの時間は設定した通りに。ということは、照明や音響のいわゆる醍醐味ともいうべき「フェーダー操作」が苦手であろうとも(そもそも素人で得意な人はいないでしょう)、ボタンひとつで美しい照明シーンの遷移が可能になるというワケです。しかも、極めて簡単に。

例えば、1を選べば、3まではリンクによって遷移しますよね。あとは、きっかけの台詞などを受けて、手作業で「十字キーの下」を押せばいい。それだけです。下を押せば、次のシーンに行きますよね。でまたきっかけで下キーを押す。それの繰り返しで出来てしまいます。

次回は、音楽データとピッタリ合わせて照明を変える事をとても簡単にできる!というのを紹介しますね。

投稿者: 管理人

ORS管理人です。

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